2012年2月28日火曜日

サーチュイン(長寿)遺伝子、哺乳類でも効果…何故かオスだけ

サーチュイン遺伝子、ご存知ですか?

昨年、NHKの番組や、世界一受けたい授業などでも紹介され、話題となっている遺伝子です。

現代人の多くは眠っている遺伝子と言われていますので、食事を30%減らすなど、飢餓状態になる事でスイッチがオンになると言われています。

サーチュイン遺伝子のスイッチがオンになると、病気の発症や老化の進行が遅くなり、長寿につながると言われています。

最近は、効果を疑問視する結果も発表され議論が活発になっていましたが、哺乳類は7種類のサーチュイン遺伝子(Sirt)を持つが、寿命を延ばす効果は確認されていませんでした。

しかし、最近イスラエルの研究チームが寿命を延ばす遺伝子というのをマウス実験で発見し話題になっています。


発表によると、酵母で発見された長寿遺伝子「サーチュイン(Sirt)」の働きを高めると、オスのマウスの寿命が延びるという。

Sirtの仲間の遺伝子は、人間を含む多くの生物が持ち、線虫やショウジョウバエでは寿命延長効果があるとされる。



同国バール・イラン大学の研究チームでは、その遺伝子が欠損すると長寿とは逆に加齢症状に似た異常が出るSirt6に注目している。

遺伝子組み換え技術で、この遺伝子の働きを高めたマウスを2系統作成し、寿命の変化を調べた結果、オスのマウスでは、平均寿命がそれぞれ14・8%と16・9%延びたが、メスのほうでは、まったく効果は見られませんでした。

現段階では、どういう仕組みで寿命が延びたのかは詳細はわかっていませんが、もし詳しくわかれば、健康的な長寿に役立つとして、世界から注目を集めています。


すべての生物で、カロリーを制限することで病気の発症や老化の進行が遅くなることは分かっていますので、まずは食べ過ぎない事を心がけるだけでも、健康な体づくりには十分です。

パーキンソン病に太極拳は有用

週2回の太極拳の実践がパーキンソン病患者のバランスと歩行能力の改善に有用であることが、新しい研究で示されました。

これまでにも、パーキンソン病患者に対し短期間の太極拳が提唱されていたが、科学的あるいは臨床的に有用性は確認されていませんでした。




パーキンソン病は神経変性脳疾患であり、米国では約100万人に認められ、日本でも14万5千人(2005年 厚生労働省データ)の患者さんが認められています。

ボクシングの元世界ヘビー級チャンピオンのモハメッドアリさんが発症していて、有名な疾患です。

通常は徐々に進行しますが、それにつれて運動制御能力が低下し、振戦や 筋硬直、不安定性などの症状が現れます。



身体活動はこの運動機能低下の遅延に有用であることが知られています。

米オレゴン研究所(ユージーン)研究科学者のFuzhong Li氏らは、太極拳、レジスタンストレーニング(筋力トレーニングの総称)、ストレッチの効果を比較しました。

同氏らは、軽度から中等度のパーキンソン病患者 195人を、3群のいずれかに無作為に割り付け、各被験者に60分のセッションを週2回、24週間参加してもらい、バランス維持に重要な姿勢安定性の変化と、患者の歩行の様子と体力を検討しました。

研究の結果、「太極拳」はバランスおよび「歩行能力の改善」についてレジスタンストレーニングやストレッチよりも優れ、「転倒回数の減少」についてはストレッチよりも優れ、レジスタンストレーニングとは同等だったとの事です。

また、太極拳によるベネフィット(便益)は3カ月後も継続していました。

研究結果は、医学誌「New England Journal of Medicine」2月9日号に掲載されました。


Li氏は、
「太極拳を試したい患者は、医師にその運動に詳しい理学療法士を紹介してもらうことを勧める。理学療法士の指導により、患者とその症状に運動を合わせることができるため、DVDや自分で試すよりもよい」と述べています。

全 米パーキンソン病財団(NPF)のMichael Okun博士は、「太極拳は、集中力の向上、環境の認識、大きな歩幅、バランス制御増強に焦点を当てた動きを取り入れている。そのため、この種の症状に合わせた療法がレジスタンストレーニングやストレッチよりも、バランス評価で優れているのは理にかなっている。ただし、レジスタンストレーニングやストレッ チもパーキンソン病では有益であり、患者に適した正しい治療法の選択が重要である」と述べている。



太極拳は、ゆっくり関節を伸ばす動きに加え、ゆっくりとした体重移動などで体幹の強化にも良いと言われ、年齢を問わず良いと言われていました。

私も一度体験しましたが、ゆっくりした動きなのに、からだ全体をしっかり使い、1時間程度で相当な汗が出ました。

是非一度、試されてみては、いかがでしょうか?