2012年2月28日火曜日

パーキンソン病に太極拳は有用

週2回の太極拳の実践がパーキンソン病患者のバランスと歩行能力の改善に有用であることが、新しい研究で示されました。

これまでにも、パーキンソン病患者に対し短期間の太極拳が提唱されていたが、科学的あるいは臨床的に有用性は確認されていませんでした。




パーキンソン病は神経変性脳疾患であり、米国では約100万人に認められ、日本でも14万5千人(2005年 厚生労働省データ)の患者さんが認められています。

ボクシングの元世界ヘビー級チャンピオンのモハメッドアリさんが発症していて、有名な疾患です。

通常は徐々に進行しますが、それにつれて運動制御能力が低下し、振戦や 筋硬直、不安定性などの症状が現れます。



身体活動はこの運動機能低下の遅延に有用であることが知られています。

米オレゴン研究所(ユージーン)研究科学者のFuzhong Li氏らは、太極拳、レジスタンストレーニング(筋力トレーニングの総称)、ストレッチの効果を比較しました。

同氏らは、軽度から中等度のパーキンソン病患者 195人を、3群のいずれかに無作為に割り付け、各被験者に60分のセッションを週2回、24週間参加してもらい、バランス維持に重要な姿勢安定性の変化と、患者の歩行の様子と体力を検討しました。

研究の結果、「太極拳」はバランスおよび「歩行能力の改善」についてレジスタンストレーニングやストレッチよりも優れ、「転倒回数の減少」についてはストレッチよりも優れ、レジスタンストレーニングとは同等だったとの事です。

また、太極拳によるベネフィット(便益)は3カ月後も継続していました。

研究結果は、医学誌「New England Journal of Medicine」2月9日号に掲載されました。


Li氏は、
「太極拳を試したい患者は、医師にその運動に詳しい理学療法士を紹介してもらうことを勧める。理学療法士の指導により、患者とその症状に運動を合わせることができるため、DVDや自分で試すよりもよい」と述べています。

全 米パーキンソン病財団(NPF)のMichael Okun博士は、「太極拳は、集中力の向上、環境の認識、大きな歩幅、バランス制御増強に焦点を当てた動きを取り入れている。そのため、この種の症状に合わせた療法がレジスタンストレーニングやストレッチよりも、バランス評価で優れているのは理にかなっている。ただし、レジスタンストレーニングやストレッ チもパーキンソン病では有益であり、患者に適した正しい治療法の選択が重要である」と述べている。



太極拳は、ゆっくり関節を伸ばす動きに加え、ゆっくりとした体重移動などで体幹の強化にも良いと言われ、年齢を問わず良いと言われていました。

私も一度体験しましたが、ゆっくりした動きなのに、からだ全体をしっかり使い、1時間程度で相当な汗が出ました。

是非一度、試されてみては、いかがでしょうか?

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