入院によってアルツハイマー病患者の精神機能の低下が加速され、介護施設入所や死亡のリスクが増大することが新しい研究により報告されました。
また、入院中にせん妄(強い錯乱、気分・行動の異常)を経験した患者は、退院後に以前の状態に戻る確率が低いことも分かりました。
この研究は、医学誌「Annals of Internal Medicine(内科学)」オンライン版に6月19日掲載されました。
今回の研究は、米マサチューセッツ・アルツハイマー病研究センター(ボストン)で定期的に神経機能の評価を受けていた軽症アルツハイマー病患者771人を対象としたものです。
367人が受診から18カ月以内に入院し、194人に入院中のせん妄がみられました。
せん妄による入院は4%で、最もよくみられた入院原因は失神、転倒、心疾患、腹痛でした。
せん妄のみられた入院患者の41%に入院から1年で急速な精神機能の低下がみられたが、せん妄のみられなかった入院患者では23%、非入院患者では26%でした。
入院自体による精神機能低下のリスク増大は認められなかったが、入院中のせん妄により20%のリスク増大がみられた。
アルツハイマー病患者の20~40%が年間平均4日間入院しているという。
研究筆頭著者である米ハーバード大学(ボストン)医学部助教授のTamara Fong氏は、「せん妄を予防することが有効な治療戦略となる可能性がある」と述べている。
入院患者のせん妄を予防するには、家族や親しい人と話をする、眼鏡や補聴器をつける、ベッドから出て歩く、錯乱を悪化させる薬剤(鎮痛薬など)を使用しないなど、いくつか有効な手段があります。
同氏は「高齢者の入院を避け自宅で治療することを提唱する声もあり、興味深い考えである」と述べている。
アルツハイマー病患者の多くは、診断から5~10年で介護が必要となります。
今回の研究では、入院から1年以内の施設入所および死亡のリスクは、非入院患者に対し、せん妄のあった入院患者ではそれぞれ9.3倍、5.4倍、せん妄のなかった入院患者では6.9倍、4.7倍でした。
「しかし、この研究は1施設でのみ実施されたものであり、被験者は白人が多数を占めていたことから、結果を一般集団に適用するのは難しい」とFong氏は述べています。
別の専門家は「入院やせん妄を避けるため、インフルエンザの予防接種、尿路感染症予防のための膀胱や腸の衛生維持、せん妄を引き起こす慢性疼痛の管理など、自宅で健康状態を向上させる取り組みが注目を集めている」と述べていいます。
アルツハイマーや認知症といった症状は、若年層も含めて急激に増えています。
これらの症状を予防する事も大事ですし、日常生活での原因を絞り込む事も大切だと思います。
特に高齢者の方々にとってはそれ以上に、ケガや病気によって一定期間寝たきりになる事で、急に動けなくなったり、症状が一気に進んだりすることが少なくありません。
自分の事は自分で行う事が、健康で長生きする秘訣なのではないでしょうか?
2012年7月9日月曜日
喫煙、農薬曝露はレム睡眠行動障害の危険因子
喫煙および農薬への曝露が、睡眠中にキックやパンチなどの動きがみられるレム睡眠行動障害(RBD)のリスク要因であることを、新しい研究が示した。
※Neurology(神経学)オンライン版に6月27日掲載された研究より。
この障害は本人や一緒に寝ている人に危険をもたらすことも多いが、最も大きな懸念の1つは、BRDがパーキンソン病やレヴィー小体認知症(DLB)の早期徴候である場合がある点だと専門家は述べています。
RBD患者の38~75%がパーキンソン病やDLBなどの神経変性障害を併発します。
今回の研究は、米国、カナダ、ヨーロッパおよび日本の睡眠外来を訪れたRBD患者約350人を対象としたもので、平均年齢は67歳で、81%が男性でした。
すでに受診している患者を対象としたため、被験者は比較的重症の傾向がみられたが、パーキンソン病および認知症はありませんでした。。
※(睡眠時無呼吸症候群、不眠症など、RBDとは無関係の睡眠障害のある患者281人、睡眠障害のない129人を対照群とした研究データ。)
その結果、RBDの最大の危険因子は、パーキンソン病の危険因子でもある農薬への曝露であることが判明しました。
RBD患者は就業中に農薬に曝露していた比率が対照群の2倍以上だった。
仕事以外での農薬への曝露では関連はみられなかった。
また、RBD患者は対照群に比べ、パーキンソン病およびDLBの危険因子でもある頭部外傷の比率が59%高く、平均就学期間が約1.5年短かった。
一方、カフェイン摂取と喫煙にはパーキンソン病に対する防護効果が認められているのに対し、カフェイン摂取とRBDリスクとの間に関連はみられず、喫煙によるRBDリスクは43%増大したが今回の研究は因果関係を示すものではないとの事です。
パーキンソン病の一部は運動野を侵す前に睡眠にかかわる脳領域で神経変性をもたらすと、Postuma氏は説明している。
同氏は、RBDの症状がある人は神経内科を受診すべきで、パーキンソン病やDLBを予防することはできないが、最善の疾患管理が可能になるとしています。
過去の歴史を見ても、自然界に無いものを便利さから日常の中に取り込んだ結果、何十年も後になって大きな危険因子となる事が分かり、製造禁止に至るケースは後を絶ちません・・・
私たちは、日常的に複数の化学物質を大量に体内に取り込んでいます。
単品の安全試験ではクリアされた物質でも、複数の化学物質と共に長期間に渡り取り込んだ際のリスクに関しては全く調べられていません。
化学物質に対して過剰に潔癖になる必要はありませんが、使わなくてよいものや、昔ながらの方法で対応できるものに関しては、化学物質が主成分のものはなるべく使わない様にした方が良いのではないでしょうか?
今朝、ジョギングをしている最中に、前を歩いていた男性が歩きながらタバコを吸っていました。
これだけ受動喫煙の害が取り上げられている現代ですから、喫煙者にはせめて吸う場所くらいは配慮して欲しいと感じました。by元喫煙者
※Neurology(神経学)オンライン版に6月27日掲載された研究より。
この障害は本人や一緒に寝ている人に危険をもたらすことも多いが、最も大きな懸念の1つは、BRDがパーキンソン病やレヴィー小体認知症(DLB)の早期徴候である場合がある点だと専門家は述べています。
RBD患者の38~75%がパーキンソン病やDLBなどの神経変性障害を併発します。
今回の研究は、米国、カナダ、ヨーロッパおよび日本の睡眠外来を訪れたRBD患者約350人を対象としたもので、平均年齢は67歳で、81%が男性でした。
すでに受診している患者を対象としたため、被験者は比較的重症の傾向がみられたが、パーキンソン病および認知症はありませんでした。。
※(睡眠時無呼吸症候群、不眠症など、RBDとは無関係の睡眠障害のある患者281人、睡眠障害のない129人を対照群とした研究データ。)
その結果、RBDの最大の危険因子は、パーキンソン病の危険因子でもある農薬への曝露であることが判明しました。
RBD患者は就業中に農薬に曝露していた比率が対照群の2倍以上だった。
仕事以外での農薬への曝露では関連はみられなかった。
また、RBD患者は対照群に比べ、パーキンソン病およびDLBの危険因子でもある頭部外傷の比率が59%高く、平均就学期間が約1.5年短かった。
一方、カフェイン摂取と喫煙にはパーキンソン病に対する防護効果が認められているのに対し、カフェイン摂取とRBDリスクとの間に関連はみられず、喫煙によるRBDリスクは43%増大したが今回の研究は因果関係を示すものではないとの事です。
パーキンソン病の一部は運動野を侵す前に睡眠にかかわる脳領域で神経変性をもたらすと、Postuma氏は説明している。
同氏は、RBDの症状がある人は神経内科を受診すべきで、パーキンソン病やDLBを予防することはできないが、最善の疾患管理が可能になるとしています。
過去の歴史を見ても、自然界に無いものを便利さから日常の中に取り込んだ結果、何十年も後になって大きな危険因子となる事が分かり、製造禁止に至るケースは後を絶ちません・・・
私たちは、日常的に複数の化学物質を大量に体内に取り込んでいます。
単品の安全試験ではクリアされた物質でも、複数の化学物質と共に長期間に渡り取り込んだ際のリスクに関しては全く調べられていません。
化学物質に対して過剰に潔癖になる必要はありませんが、使わなくてよいものや、昔ながらの方法で対応できるものに関しては、化学物質が主成分のものはなるべく使わない様にした方が良いのではないでしょうか?
今朝、ジョギングをしている最中に、前を歩いていた男性が歩きながらタバコを吸っていました。
これだけ受動喫煙の害が取り上げられている現代ですから、喫煙者にはせめて吸う場所くらいは配慮して欲しいと感じました。by元喫煙者
登録:
投稿 (Atom)