2012年7月9日月曜日

入院がアルツハイマー病悪化の“転換点”となる可能性

入院によってアルツハイマー病患者の精神機能の低下が加速され、介護施設入所や死亡のリスクが増大することが新しい研究により報告されました。


また、入院中にせん妄(強い錯乱、気分・行動の異常)を経験した患者は、退院後に以前の状態に戻る確率が低いことも分かりました。


この研究は、医学誌「Annals of Internal Medicine(内科学)」オンライン版に6月19日掲載されました。



今回の研究は、米マサチューセッツ・アルツハイマー病研究センター(ボストン)で定期的に神経機能の評価を受けていた軽症アルツハイマー病患者771人を対象としたものです。


367人が受診から18カ月以内に入院し、194人に入院中のせん妄がみられました。


せん妄による入院は4%で、最もよくみられた入院原因は失神、転倒、心疾患、腹痛でした。


せん妄のみられた入院患者の41%に入院から1年で急速な精神機能の低下がみられたが、せん妄のみられなかった入院患者では23%、非入院患者では26%でした。


入院自体による精神機能低下のリスク増大は認められなかったが、入院中のせん妄により20%のリスク増大がみられた。



アルツハイマー病患者の20~40%が年間平均4日間入院しているという。




研究筆頭著者である米ハーバード大学(ボストン)医学部助教授のTamara Fong氏は、「せん妄を予防することが有効な治療戦略となる可能性がある」と述べている。


入院患者のせん妄を予防するには、家族や親しい人と話をする、眼鏡や補聴器をつける、ベッドから出て歩く、錯乱を悪化させる薬剤(鎮痛薬など)を使用しないなど、いくつか有効な手段があります。


同氏は「高齢者の入院を避け自宅で治療することを提唱する声もあり、興味深い考えである」と述べている。



アルツハイマー病患者の多くは、診断から5~10年で介護が必要となります。


今回の研究では、入院から1年以内の施設入所および死亡のリスクは、非入院患者に対し、せん妄のあった入院患者ではそれぞれ9.3倍、5.4倍、せん妄のなかった入院患者では6.9倍、4.7倍でした。


「しかし、この研究は1施設でのみ実施されたものであり、被験者は白人が多数を占めていたことから、結果を一般集団に適用するのは難しい」とFong氏は述べています。

別の専門家は「入院やせん妄を避けるため、インフルエンザの予防接種、尿路感染症予防のための膀胱や腸の衛生維持、せん妄を引き起こす慢性疼痛の管理など、自宅で健康状態を向上させる取り組みが注目を集めている」と述べていいます。








アルツハイマーや認知症といった症状は、若年層も含めて急激に増えています。

これらの症状を予防する事も大事ですし、日常生活での原因を絞り込む事も大切だと思います。


特に高齢者の方々にとってはそれ以上に、ケガや病気によって一定期間寝たきりになる事で、急に動けなくなったり、症状が一気に進んだりすることが少なくありません。




自分の事は自分で行う事が、健康で長生きする秘訣なのではないでしょうか?

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