神経の難病である「パーキンソン病」の発症を抑える仕組みを、田中啓二・東京都医学総合研究所長らのチームが解明し、21日の英科学誌「ネイチャー・コミュニケーションズ」電子版に発表しました。
パーキンソン病の原因となる細胞内の小器官「ミトコンドリア」の異常を早期に見つけることが可能になり、病気の早期発見、治療に役立つといいます。
パーキンソン病のうち20~30代で発症する「若年性パーキンソン病」は、二つの遺伝子が働かないことでミトコンドリアの異常が蓄積し、運動障害が起きます。
チームは、二つの遺伝子のうち「ピンク1」の働き方を調べた。
その結果、ヒトの正常なピンク1遺伝子は、ミトコンドリアに異常が起きるとリン酸と結び付いて働き始め、異常ミトコンドリアが分解された。
一方、若年性パーキンソン病患者のピンク1遺伝子は、リン酸と結び付かず機能しなかった。
松田憲之主席研究員は「異常ミトコンドリアの増加や分解が進まないときに、リン酸と結びついたピンク1遺伝子を検出する方法を開発すれば、病気の早期発見につながる」と話しています。
パーキンソン病は、ボクシングの元ヘビー級チャンピオンのモハメッド・アリさんや、最近復帰報道されたマイケル・J・フォックスさんなどの著名人にも多数いらっしゃいます。
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