食器類に用いられているメラミン(プラスチックの一種)により、腎臓結石のリスクが増大する可能性が、台湾、高雄医学大学のChia-Fang Wu氏らの小規模研究で示唆されました。
研究結果は、「JAMA Internal Medicine」オンライン版に1月21日掲載されました。
米ノースショア大学病院(ニューヨーク州)職業・環境医学センター長によると、メラミンは工業分野で広く利用され、多くの家庭用品に含まれる化学物質。
消費者にとっての主な曝露源は、皿、椀や丼、マグカップなどの食器類で、食器から食品中にメラミンが入り込む事は以前から知られていた様です。
特に古い食器や質の悪い食器では、高温の食品(スープなど)や酸性度の高い食品がメラミンの混入を促進する可能性があると言います。
今回の研究では、12人の健康な男女を対象に、メラミン製またはセラミック製の丼で熱い麺入りスープを食べてもらい、12時間後に被験者の尿を採取しました。
3週間後、使用する丼の種類を入れ替えて同じスープ麺を食べてもらい、再度尿を採取しました。
スープ麺を食べてから12時間後の総メラミン値は
メラミン製の丼=8.35 μg
セラミック製の丼=約1.3 μg
同センター長は、「メラミン製食器は高温の食品に用いた場合、多量のメラミンを放出する可能性がある。食品や飲料中に溶け出すメラミンの量は製品によって異なるため、今回の研究を一般化することはできない」と述べています。
ヒトの健康への影響は明らかにされていませんが、過去の研究では、慢性的な低用量メラニン曝露と、成人および小児の腎結石リスク増大の関連が示されているといいます。
同センター長によると、メラミン曝露によるリスクの特徴を明らかにするヒトのデータはほとんどないが、動物を用いた研究では、メラミン摂取が腎結石、腎損傷の原因となるほか、癌を誘発する可能性もあることが示されているという。
危険性について科学的に明確な見解がない限り、メラミンを含有する食器類の使用を避けることは妥当であると同氏は述べ、フタル酸エステル類やビスフェノールAなど、人体への害が疑われる他の化学物質についても同じことがいえると付け加えている。
2008年には、中国で乳児用粉ミルクに高濃度のメラミンが混入しているのが見つかり問題となりました。
口に入る物だけでなく食器類、調理機類、衣類や洗剤をはじめ、私たちの体に触れたり吸引したりする可能性のある化学薬品には、必ず人体にとって何らかの影響があると思います。
メラニンだけでなく、アルミニウムをはじめとするその他の金属類やプラスチック類にも、まだ知られていない影響があるかもしれません。
出来るだけ、身の回りのモノは便利さや価格ではなく、安全なモノが良いと思います。
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