2013年2月13日水曜日

メラミン製食器で腎臓結石のリスクが増大!?

食器類に用いられているメラミン(プラスチックの一種)により、腎臓結石のリスクが増大する可能性が、台湾、高雄医学大学のChia-Fang Wu氏らの小規模研究で示唆されました。

研究結果は、「JAMA Internal Medicine」オンライン版に1月21日掲載されました。



米ノースショア大学病院(ニューヨーク州)職業・環境医学センター長によると、メラミンは工業分野で広く利用され、多くの家庭用品に含まれる化学物質。

消費者にとっての主な曝露源は、皿、椀や丼、マグカップなどの食器類で、食器から食品中にメラミンが入り込む事は以前から知られていた様です。

特に古い食器や質の悪い食器では、高温の食品(スープなど)や酸性度の高い食品がメラミンの混入を促進する可能性があると言います。

今回の研究では、12人の健康な男女を対象に、メラミン製またはセラミック製の丼で熱い麺入りスープを食べてもらい、12時間後に被験者の尿を採取しました。

3週間後、使用する丼の種類を入れ替えて同じスープ麺を食べてもらい、再度尿を採取しました。

スープ麺を食べてから12時間後の総メラミン値は

メラミン製の丼=8.35 μg

セラミック製の丼=約1.3 μg


同センター長は、「メラミン製食器は高温の食品に用いた場合、多量のメラミンを放出する可能性がある。食品や飲料中に溶け出すメラミンの量は製品によって異なるため、今回の研究を一般化することはできない」と述べています。



ヒトの健康への影響は明らかにされていませんが、過去の研究では、慢性的な低用量メラニン曝露と、成人および小児の腎結石リスク増大の関連が示されているといいます。

同センター長によると、メラミン曝露によるリスクの特徴を明らかにするヒトのデータはほとんどないが、動物を用いた研究では、メラミン摂取が腎結石、腎損傷の原因となるほか、癌を誘発する可能性もあることが示されているという。

危険性について科学的に明確な見解がない限り、メラミンを含有する食器類の使用を避けることは妥当であると同氏は述べ、フタル酸エステル類やビスフェノールAなど、人体への害が疑われる他の化学物質についても同じことがいえると付け加えている。

2008年には、中国で乳児用粉ミルクに高濃度のメラミンが混入しているのが見つかり問題となりました。



口に入る物だけでなく食器類、調理機類、衣類や洗剤をはじめ、私たちの体に触れたり吸引したりする可能性のある化学薬品には、必ず人体にとって何らかの影響があると思います。

メラニンだけでなく、アルミニウムをはじめとするその他の金属類やプラスチック類にも、まだ知られていない影響があるかもしれません。

出来るだけ、身の回りのモノは便利さや価格ではなく、安全なモノが良いと思います。

2013年1月23日水曜日

経口抗がん剤で、膵臓癌の生存率向上


早期発見が難しく、発見された時点で末期・・・
という事が多い「膵臓がん」。

今まで使われてきた点滴による抗がん剤「ゲムシタビン」を投与した場合、2年後の生存率が53%だったのに対し、経口抗がん剤「S―1」を使うと2年後の生存率が70%と大幅に向上した事を、静岡県立静岡がんセンター(同県長泉町)などのチームが23日、発表しました。

国内33病院で、患者計385人が参加した臨床試験の中間解析で大きな効果が見られたようです。

これまでゲムシタビンを使っても約20%だった手術後の5年生存率が改善されるとみて、チームは調査を続けているそうです。


★膵臓癌とは?
厚生労働省による人口動態調査によると2004年の日本における死亡数は22,260人で、男性11,933人、女性10,327人。
癌の死因別では男女とも第5位で、年々増加傾向にあります。
自覚症状としては、腹痛や体重減少などがありますが、主だった症状が無い為、発見が難しいと言われています。※強い腰痛として症状が出る事もあります。

★膵臓とは?
膵臓は、膵液と呼ばれるインスリンやグルカゴン、消化酵素を含む体液を分泌し、それを消化管に送り込む臓器です。
膵臓がんの他にも、膵炎などがあります。
インスリンは、主に血糖をコントロールする働きがあります。
現代は、飲食物に使われている糖分の多くは安価で大量生産のできるブドウ糖果糖液ですが、本来はブドウ糖と果糖が一緒になったものはなく、ブドウ糖果糖液を継続的に摂取する事は膵臓に大きな負担を強いると言われています。


私の親戚にも、膵臓がんで亡くなられた方がいます。
幼い頃でしたので詳しくは覚えていませんが、長い間腰が痛いと言われ治療を受けてきたが、膵臓がんからくる腰痛だったと言われていた事を覚えています。


以前、実際に聞いた話ですが・・・

ずっとお腹が痛くて、何度病院で診てもらっても原因が分からなかった時、ご年配の医師を紹介されて診てもらったところ、聴診器や脈、視診のみで膵臓に異常があるので、大きな病院で診てもらいなさいと言われたそうです。
紹介された病院で精密検査を受けたところ、初期の膵臓がんが見つかり、大事に至らなかったと言われていました。

検査結果とカルテだけを見て、患者さんの顔を見ないで診察される医師も居るとお聞きしますが、本来の医師の姿はこの様な方なのだと思いました。

まずは、「自分の体は自分で守る」という心掛けが大事なのだと思います。

2012年9月21日金曜日

鎮痛薬により続発性心筋梗塞のリスクが上昇!

心筋梗塞(心臓発作)の経験のある人が、非ステロイド性抗炎症薬として知られる一般的な鎮痛薬を日常的に服用していると、死亡リスクや続発性心筋梗塞のリスクが高まる可能性のあることが、デンマークの研究グループにより報告されました。

非ステロイド性抗炎症薬にはイブプロフェンやナプロキセンなどの市販薬のほか、セレコキシブなどの処方薬が含まれるという。 

研究を行ったコペンハーゲン大学のAnne-Marie Schjerning Olsen氏は、「心筋梗塞後の 非ステロイド性抗炎症薬 の長期的な使用については、どの患者も注意する必要である。心血管疾患のある患者を診察する医師に対し、心筋梗塞から何年も経過した後でも 非ステロイド性抗炎症薬 は有害であると伝えることが重要である」と述べている。

この報告は、「Circulation」オンライン版に9月10日掲載された。



今回の研究では、1997~2009年の間に心筋梗塞を経験した約10万人のデータを収集。

そのうち44%が少なくとも1回は 非ステロイド性抗炎症薬 の処方を受けていました。

非ステロイド性抗炎症薬を使用していない人に比べ、使用した人は何らかの原因で死亡するリスクが心筋梗塞から1年以内で59%、5年以内では63%高かった。

さらに、心筋梗塞を再発するリスク、または心疾患で死亡するリスクは1年以内で30%、5年以内で41%高いことが判明しました。

この結果は、男女とも年齢や所得にかかわらず同じだった。

この研究では、その他の疾患や薬剤などの因子についても検討されています。



このデータは観察研究によるものであり、 非ステロイド性抗炎症薬が死亡や心筋梗塞の原因であることを裏付けるものではありませんが、 非ステロイド性抗炎症薬 の使用は制限すべきであり、薬局で購入できる状況については再考する必要があると、研究グループは結論付けている。

米国心臓協会の広報担当で米カリフォルニア大学ロサンゼルス校心臓学教授であるGregg Fonarow氏(今回の研究には不参加)によると、2007年以降、 米国心臓協会 のガイドラインでは心血管疾患患者、および心筋梗塞後は 非ステロイド性抗炎症薬を使用しないよう勧めています。



COX-2阻害薬という別のタイプの鎮痛薬にも、同様のリスクが認められています。

ガンの緩和ケアなどで使用するのは仕方がありませんが、日常生活での使用は慎重にした方が良いと思います。

イライラ、怒りといった感情は、痛みを増幅させますので、ストレス発散も大切だと思います。



また、カルシウムサプリメントの摂取も、心筋梗塞のリスクを高める事がわかっていて、カルシウムサプリメントを飲む事で骨粗鬆症のリスクは10%低下しますが、心筋梗塞のリスクは25%増加するそうです。

出来るだけ食べ物から摂取する事を考えた方が良さそうですね。

フライパンで焼いた赤身肉で前立腺ガンのリスク増大!

ショッキングな記事が掲載されていました。

フライパンで焼いた赤身肉を食べていると、男性の前立腺癌リスクが40%増大する可能性のあることが、新しい研究で明らかになりました。

赤身肉を高温で調理すると発癌性の化学物質が形成され、疾患リスクを増大させると考えられるそうです。



米南カリフォルニア大学、および米カリフォルニア癌予防研究所の研究グループは、前立腺癌の研究に参加した2,000人弱の男性のデータを使って検討した結果、半数を超える男性が進行性の前立腺癌と診断されていました。

被験者には質問票で、食べている赤身肉や鶏肉の種類や量、調理法(フライパンで焼く、ゆでる、グリルで焼く)について回答してもらい、また、被験者に写真を見せて、肉をどの程度まで焼いているかを示してもらいました。


結果、男性でフライパンで焼いた赤身肉を1週間で

1.5人前以上食べていた男性 ⇒ 進行前立腺癌のリスクが30%高い。
2.5人前以上食べていた男性 ⇒ 進行前立腺癌のリスクが40%高い。


※特に、ハンバーグ(ハンバーガーの肉)と前立腺癌リスクの増大に関連があることが判明し、このリスクはヒスパニック系の男性で最も高かったとの事です。

このような結果になったのは、ステーキよりもハンバーグのほうが内部および外部の温度が急速に高温に達するため、異なるレベルの発癌物質が蓄積することによるものではないかと考えられています。


主に(オーブンなどで)焼いた鶏肉を食べていた男性は進行前立腺癌のリスクが低かったが、フライパンで焼いた鶏肉を食べていた男性は比較的リスクが高い事から、

★種類にかかわらずフライパンで調理した赤身肉や鶏肉を中心とする食事が前立腺癌リスクを増大させる可能性があると結論付けている。

理由は不明だが、調理の過程でDNAを損傷する発癌物質(複素環アミン)が形成されるためではないかと研究グループは指摘している。この化学物質は、糖およびアミノ酸を長時間高温で加熱することにより形成されるという。



日本では、お肉は適度な大きさに切られてパックに入って売られています。

その際に、様々な添加物や調味料を使われている場合が多々ありますが、これらを添加されたお肉を焼く事で、元々発がん性のリスクがあると言われている化学調味料は数十倍~数百倍のリスクになると言われています。

それに加え、赤身のお肉自体が焼くことで発がん性のリスクが増えるというのは、かなりショッキングな内容です。



特に今回の報告では、フライパンよりもオーブンで焼く方がリスクが少ない様ですので、今流行りの水蒸気のオーブンなどが良いのかもしれませんね・・・

2012年9月5日水曜日

血液型によって心疾患リスク増


血液型が心臓の健康状態に影響を及ぼす可能性が、米ハーバード大学の研究でわかりました。


米国看護師健康調査に参加した6万人強の女性および米国医療従事者追跡調査の参加者1万7,000人強のデータを収集。30~75歳の被験者を20年以上追跡しました。



■O型■
血流を促し凝固を防止する因子が含まれる可能性がある。


■A型■
O型に比べて、心疾患リスクが5%高い。
“悪玉”コレステロールであるLDL(低比重リポ蛋白)コレステロールが高いことを示す学的証拠がある。


■B型■
O型に比べて、心疾患リスクが11%高い。

■AB型■
O型に比べて、心疾患リスクが23%高い。

米国人の約7%がAB型で、最も多いO型は約43%。



※被験者の大部分が白人であるため、この知見を他の人種に適用できるかどうかは不明。



リスク増大の原因が特定の血液型に関連するものかどうかもわかっていない様です。


バランスのよい食事と運動、血圧、コレステロールおよび良好な体重管理などの健康的なライフスタイル(生活習慣)によって、この遺伝的素因を相殺することは可能であると、専門家らは述べている。



米国心臓協会(AHA)の広報担当で、米カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)教授のGregg Fonarow氏によると、凝固に関与する主な因子はO型以外の人で高く、コレステロール値のほか、炎症や免疫反応にも血液型によって差があるという。

とはいえ、O型でないことによるリスクよりも、年齢、血圧、コレステロール値、喫煙、糖尿病などの従来の危険因子(リスクファクター)によるリスクのほうがはるかに高いため、心血管リスクの検知と予防には今後もこのような因子に主な焦点を当てる必要があると、同氏は述べている。

2012年8月22日水曜日

パーキンソン病の発症抑える仕組み解明!

神経の難病である「パーキンソン病」の発症を抑える仕組みを、田中啓二・東京都医学総合研究所長らのチームが解明し、21日の英科学誌「ネイチャー・コミュニケーションズ」電子版に発表しました。


パーキンソン病の原因となる細胞内の小器官「ミトコンドリア」の異常を早期に見つけることが可能になり、病気の早期発見、治療に役立つといいます。




パーキンソン病のうち20~30代で発症する「若年性パーキンソン病」は、二つの遺伝子が働かないことでミトコンドリアの異常が蓄積し、運動障害が起きます。

チームは、二つの遺伝子のうち「ピンク1」の働き方を調べた。

その結果、ヒトの正常なピンク1遺伝子は、ミトコンドリアに異常が起きるとリン酸と結び付いて働き始め、異常ミトコンドリアが分解された。
一方、若年性パーキンソン病患者のピンク1遺伝子は、リン酸と結び付かず機能しなかった。

松田憲之主席研究員は「異常ミトコンドリアの増加や分解が進まないときに、リン酸と結びついたピンク1遺伝子を検出する方法を開発すれば、病気の早期発見につながる」と話しています。



パーキンソン病は、ボクシングの元ヘビー級チャンピオンのモハメッド・アリさんや、最近復帰報道されたマイケル・J・フォックスさんなどの著名人にも多数いらっしゃいます。

2012年8月17日金曜日

楽器の演奏で老化防止!

楽器演奏により、加齢に伴う認知機能低下の影響が弱まる可能性が、米エモリー大学(アトランタ)の研究で分かりました。

この結果は、「Frontiers in Human Neuroscience」7月号に掲載されました。


小児期に音楽を学び、10年以上楽器演奏を続けている高齢者は、記憶力や認知能力の検査結果が他の高齢者よりも優れていたそうです。

また、高齢になって音楽活動を継続している人では、思考力が高まり、加齢や教育不足による悪影響が打ち消される可能性があることも分かりました。

ただし、成人になってから楽器を始めた場合に、精神面の恩恵が得られるかどうかは明らかになっていません。


59~80歳の音楽家と非音楽家70人を対象に、神経心理テストを実施し、全般的な日常生活活動を調べました。

その結果、音楽家のほうが、知力、視空間の判断、言語記憶および言語想起、運動の機敏さの検査スコアが高いという結果になりました。


研究を行ったHanna-Pladdy氏は、「行動が脳を変える可能性がある。脳が発達途中である子どものうちに楽器を学び、10年以上演奏し続けることが、後の人生におけるベネフィットの土台となるのかもしれない。ただし、中年期に楽器演奏を再開することも重要である。音楽活動は、何年もの練習を必要とする、難しい認知エクササイズである」と述べています。

この研究では、音楽活動と精神面での健康維持との関連性が判明したが、因果関係は証明されていません。



スポーツと同様に、音楽も私たち人間の五感に働きかけて、生涯共にする事で健やかに過ごすことのできる要素なんですね・・・

皆さんも、「昔とった〇〇〇〇」ではありませんが、少しずつでも触ってみたり、興味があった楽器に取り組まれてみてはいかがでしょうか?