2012年5月25日金曜日

毎日コーヒーを飲む中高齢者は死亡リスクが低い!?

1日にコーヒーを3杯以上飲む高齢者は、全く飲まない人に比べ一般的な原因で死亡するリスクが10%低いことが、米国の大規模研究で示されました。




この結果はカフェインの有無を問わず、コーヒーを飲む50~71歳の成人に当てはまるという。




ただし、あくまでも観察的研究でコーヒーが心血管疾患、呼吸器疾患、脳卒中、糖尿病、感染症および傷害や事故による死亡率の低下に関連することが示されたもので、因果関係を裏付けるものではないという。



研究の筆頭著者である米国立癌(がん)研究所(NCI、メリーランド州)のNeal Freedman氏によると、コーヒーを飲むという行動はさまざまな行動と関連しているという。



例えば、コーヒーを飲む人は喫煙量が多い傾向があるため、実際、最初は高い死亡リスクとの関連がみられたが、喫煙の影響を差し引いたところ、逆の関連が認められたと同氏は説明しています。


この研究は、医学誌「New England Journal of Medicine」5月17日号に掲載されています。








今回の研究では、1995~1996年に「NIH(米国立衛生研究所)-AARP(旧米国退職者協会)食生活・健康研究」に登録した男女約40万人の食習慣に着目。



研究開始時点で被験者に癌、脳卒中、心疾患の既往はなかった。


コーヒーの摂取について0杯~6杯以上の範囲で被験者に尋ね、2008年または死亡するまで健康状態を追跡しました。




その結果、1日に飲むコーヒーが1杯だけでも全死亡リスクが低下するほか、今日の公衆衛生学上懸念されている特定原因による死亡リスクも低下することが分かりました。


例外として、女性の癌死亡数の減少はみられず、男性の癌死亡に対する予防効果はわずかであった。


1日1杯を超える量を飲むと効果がさらに大きいようであったが、1日2杯と6杯との間ではほとんど差が認められなかったという。






Freedman氏は「コーヒーにはカフェイン以外に、1,000種類もの化合物や抗酸化物質が含まれており、今後はさまざまな成分について検討するほか、ドリップ式かエスプレッソかなど、コーヒーのいれ方や豆の煎り方の選択による各物質への影響や、疾患との関連に対する影響も探る必要がある」と述べています。



また、今回の研究では期間中にコーヒーを飲む習慣に変化があったかどうかを被験者に尋ねておらず、既存の健康問題を考慮していない点にも注意が必要だという。




現時点では、個人の健康歴が影響する可能性もあるため、同氏はコーヒーを飲む量を増やす前に医師に相談することを勧めています。



別の専門家は「コーヒーと健康効果を関連付けるものがカフェインなのか、抗酸化物質なのか、植物性化学物質なのか、あるいは単にライフスタイル(生活習慣)に関連するものなのかは、今後も検討する必要がある」と述べている。






40歳代になり、ようやくコーヒーを美味しく頂ける様になりました。
意外な習慣が身体に良かったり、悪かったり、これからも色々な事が分かっていくのでしょうね・・・

2012年5月24日木曜日

早食いはⅡ型糖尿病リスクを高める!

早食いは糖尿病リスクを増大させることが、リトアニアの小規模予備研究で示されました。






Ⅱ型糖尿病患者234人、非糖尿病者468人を比較したところ、早食いする人はゆっくり食べる人よりも糖尿病罹患リスクが2.5倍高かったといいます。


また、糖尿病患者はボディ・マス・インデックス(BMI、身長・体重に基づく指標)が高く、非糖尿病者よりも教育レベルが低いことも判明したといいます。



この知見は、イタリア、フローレンスで開催された国際内分泌学会・欧州内分泌学会合同会議で発表されました。




研究を主導したリトアニア健康科学大学のLina Radzeviciene氏は、



「Ⅱ型糖尿病の有病数が世界的に増加しており、全世界レベルで流行となりつつある。遺伝的背景および環境因子の相互作用が関わっていることは明白である。修正が可能な危険因子を特定することが重要であり、それが糖尿病発症を低減させる助けとなる可能性がある」と述べています。


この研究は、早食いと糖尿病発生数との関連を示しているが、因果関係を立証するものではありません。



学会発表されたデータおよび結論は、ピアレビューを受けて医学誌に掲載されるまでは予備的なものとみなす必要がある様です。








以前、お付き合いしていた長野県が長寿日本一になった原動力となった著名な医師が言われていました・・・


健康長寿には、咀嚼が大切だと・・・


健康な方は、1口50回!


体調の悪い方は1口100回!!


ガンなどの重病の方は1口200回!!!


実践してみると、70回位咀嚼すると食べ物は溶けて無くなってしまいます・・・
しかもお茶碗1杯のご飯を食べるのに、数十分もかかってしまう・・・






次にその先生にお会いした時にその事を伝えると、こんな答えが返ってきました。


「無くなっても咀嚼を続けることが大事なんだ。噛み合わせという言葉の語源を調べると、古来の日本では”神合わせ”と言っていた。」


「上顎は天からの気の受け皿。」


「下顎は地からの気の受け皿。」


「天の気と地の気を合わせるのが咀嚼であり、それを古来日本では”神合わせ”と呼んでいた。」


「だから、食べ物が口の中にある、無い関わらず、咀嚼を沢山実践する事で生命力が旺盛になり、病気にならない身体になる!」と言われていました。




1口100回、200回は無理だとしても、時間をかけてゆっくり咀嚼して食べることは、健康生活の大切な要素だと思いますので、実践してみてはいかがでしょうか?

2012年5月21日月曜日

過体重で血糖値が高めの妊娠女性では合併症リスクがより高い

過体重で血糖値も高めの妊娠女性では、正常血糖値あるいは妊娠糖尿病の肥満妊娠女性および正常体重の妊娠女性に比べて妊娠合併症を発症するリスクが高いことが、米ノースウェスタン大学ファインバーグFeinberg医学部内分泌学教授のBoyd Metzger氏らの研究で明らかになりました。




Metzger氏は「医師は一般的に、肥満あるいは妊娠糖尿病の妊娠女性には気を使うが、過体重で血糖値が中等度上昇した妊娠女性は見逃しがちである」と指摘するとともに、「これらの女性は、妊娠糖尿病でも肥満でもないために我々のレーダー(探知網)に引っかからない。しかし今回の研究で、これらの女性は妊娠合併症のリスクが有意に高いことが判明した。そうした女性には、肥満や妊娠糖尿病と同等に緊急の対応が必要である」と述べています。





医学誌「Diabetes Care」4月号に掲載された報告によると、Metzger氏らは9カ国2万3,000例以上の妊娠女性を対象に、妊娠中の経口糖負荷試験や肥満度を調べ、出生児の体重などと併せて検討しました。



その結果、妊娠中に肥満、妊娠糖尿病、過体重および血糖高値の状態にあった女性では、児の出生時体重が重い傾向があることが判明した。

正常体重・正常血糖の女性の児との比較で、妊娠糖尿病と肥満を合併した女性の場合、児の出生児体重は約12オンス(約340グラム)重く、過体重だが肥満ではなく血糖値がわずかに上昇していた女性の児は約7.5オンス(約212グラム)重かった。



同様に、妊娠糖尿病だが正常体重の女性の児は6オンス(約170グラム)、正常血糖値で肥満の女性の児も約6オンス重かった。

さらに、過体重で血糖値が高めの女性の児では、血中インスリン値が高く、血糖値が低い傾向が認められることも明らかになりました。



これらは小児の肥満や糖尿病の誘因になる可能性が指摘されています。




確かに、最近は妊婦さんに対する体重制限は、随分厳しく言われている様ですが、何かと問題があるのでしょうね・・・


ただ、妊婦さんだけでなく、一般の方々でも外国人並みの肥満が増えています。


運動だけでなく、普段の食べ物が問題だと思いますが、安くて美味しいものほど、高カロリーで高脂肪な物が多いので、これを変えるのは難しい問題です。


痩せる痩せないという視点だけでなく、太る方の傾向やデメリットが分かり易く書かれている
「いつまでとデブと思うなよ/岡田斗司夫著」は、おススメです。

明確な “人生目標”をもつことが認知症の予防に

認知症を予防したければ、しっかりとした「人生目標」をもつとよいことが新しい研究で示され、医学誌に掲載されました。


この知見は、目標をもつことによる効果を裏付けるものではありませんが、今回の研究では、(研究グループの定義による)目標を多くもつ人は、アルツハイマー病の原因とされる脳の沈着物による影響を受けにくいようであったといいます。







研究を行った米ラッシュRush大学メディカルセンター(シカゴ)ラッシュ・アルツハイマー病センター准教授のPatricia Boyle氏は、「人は目標があればアルツハイマー病の身体的徴候に対抗できる」と述べています。

この研究は、高齢者246人の検査結果を検討したもので、被験者の死亡後、剖検により脳の状態が調べられました。







人生目標は「意図的、集中的に人生経験の意味を見出す傾向」と定義され、10項目の心理学的テストの回答の分析により判定された。プラークや神経原線維のもつれなどの脳の汚物(が多くみられる人の中で、人生に大きな目標をもっている人は、精神(認知)力の低下による影響が小さく、Boyle氏は「目標の少ない人に比べて認知力低下の速度が30%遅かった」と述べています。




この関連は、他の因子の影響について統計学的な結果を調整しても、なお認められるものであった。

米デューク大学(ノースカロライナ州)メディカルセンター記憶障害外来のJames Burke博士は、「人生の目標が高齢者の精神力に関連するとすれば、脳の容量によるものと考えられる」と述べています。



同様に、学歴の高い人は脳のプラークや神経原線維のもつれに対する抵抗性が高く、認知的問題が少ないといいます。








仕事でも家庭でも、どの様な分野でも明確な目標を持ち、取り組んで行く事が必要なんですね・・・


奥さまの後に付いて歩いているご主人様が、現職時代は大変社会的地位の高い方と知り驚いた事が多々ありました。


「退職したらただの人」という言葉がありますが、何歳になっても仕事や役割があるという事が、健康な生活を営む為には大切な事なのだと思います。








WHO(世界保健機構)の健康の定義には、


「健康とは、完全に身体、精神、及び社会的に良い状態である事を意味し、単に病気でないとか、虚弱ではないということではない」


とあります。


目指せ!!!生涯現役!!!ですね。。。

2012年5月18日金曜日

COX-2阻害薬による心血管リスク増大!

2004~2005年に副作用が原因で市場から回収されたcox-2阻害薬(鎮痛薬)における、心筋梗塞および脳卒中のリスク増大をもたらす作用機序が、新しい研究で明らかにされました。

かつて広範に使用されていたcox-2阻害薬rofecoxib (商品名:Vioxx)およびvaldecoxib (同Bextra)は、いずれも心血管イベントリスクを高めることが研究で示され、それぞれ2004年および2005年に市場から回収されました。



また、同じクラスに属するセレコキシブ(日本での商品名:セレコックス)は、現在でも販売が継続されているものの、心血管イベントリスクを有するために「ブラックボックス警告」(最も強い警告)が表示されています。


米ペンシルベニア大学(フィラデルフィア)トランスレーショナル医療治療学研究所長のGarret FitzGerald氏らによる今回の報告では、cox-2阻害薬がcox-2酵素阻害による疼痛緩和作用に極めて優れている一方で、血管の収縮および凝血(clotting)を防止する酵素を阻害することにより、心血管系の微妙なバランスを乱してしまうと言います。





米ブリガム・アンド・ウィメンズ病院(ボストン)のChristopher Cannon博士は、「血液中には、凝血および血管拡張防止と同様に、凝血と血管収縮に対するバランスが存在します。
このことは、凝血と凝血防止、動脈の収縮と拡張には一定のバランスが存在することを意味するが、今回の研究では、cox-2阻害薬によって防御的サイドが打ち負かされてバランスが崩れ、収縮をもたらすサイドだけが残るため、凝血および動脈収縮のリスクが高まることがわかった」と述べています。



Cannon氏は「この問題は回収されたVioxxだけにとどまらない」と付け加えています。



多数の人が利用しているセレコキシブやイブプロフェンをはじめ、あらゆるNSAID(非ステロイド性抗炎症薬、cox-2阻害薬もNSAIDの1つ)に同じ問題があると言います。




例外はナプロキセン(商品名:ナイキサンなど)で、この薬剤には抗血小板作用があり、脳卒中および心筋梗塞のリスクを低下させる効果があると考えられます。


同氏は「この問題は用量依存性であり、cox-2阻害薬の使用量が多いほど心血管イベントリスクが高くなるため、必要最小量を使用することにより、疼痛をコントロールすると同時に、血管への害を抑制する必要がある」と述べています。

今回の研究は、医学誌「Science Translational Medicine(サイエンス・トランスレーショナル医療)」5月2日号に掲載されたほか、米国科学アカデミー発行の「Proceedings of the National Academy of Sciences(PNAS)」オンライン版に4月9日掲載されました。(HealthDay News 5月2日)

2012年5月17日木曜日

赤色着色料!

最近、赤色着色料がアレルギー症状を起こすというニュースが流れていましたのでご紹介します。


食品や化粧品など幅広く使用されている赤色の着色料「コチニール色素」を摂取することによって、呼吸困難などの急性アレルギー症状(アナキラフィシーショック)が出る恐れがあるとして、消費者庁は16日までに使用者に注意を呼びかけました。


コチニール色素は中南米産の昆虫「エンジムシ」の成分から作られていて、清涼飲料水や菓子、口紅、アイシャドーなど広く利用されています。

エンジムシ



調査の結果、コチニールを使った製品を飲食し、かゆみや呼吸困難などのアレルギー反応を起こした例が2004年以降、国内で4例あった様です。
消費者庁は、コチニール入りの食品などでかゆみなどの症状が出た場合は医師の診察を受けるよう呼び掛けています。

消費者庁「コチニール色素に関する注意喚起」
エンジムシを潰すと赤い色素が・・・


コチニール色素は、エンジムシから温水や熱水などで色素を抽出します。
アレルギー症状を起こす原因としては、エンジムシのタンパク質が原因しているのでは?と言われています。

色を付けたり、長期保存や固いものを柔らかくなど、見栄えや食感を良くしたければ食品添加物を使うしかありませんが、それでトラブルが起こるのであれば問題だと思います。

ハムやソーセージをはじめ、飲み物などにも広く使われていますが、色が悪くても、安全で美味しい方が良いと思うのですが・・・

選ぶ側の消費者が何を選ぶかによって、メーカーもより売れるものを作る様になります。
まずは私たちが何を選ぶのか???